side深紗

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「…」


目覚めると 視界には白い天井が映った

ゆっくりと昨日の事を思い出す
あの後 私はーーーー・・・


「目…覚めた?。」


「…っ!?」



思わず身体を強ばらせると
私の顔を覗き込んだ男が クスクスと笑う


「ごめんごめん、驚かせちゃったな」


起き上がって周りを見回すと
白基調の部屋のベッドに私は座っていた



「あの…どちら様、デスカ…?」



恐る恐る聞くと 男は“そんな怖がんなよ~”と
またクスクス笑う


「俺は、湊夜。お前は?」


「…怪しい方には名乗れません」


「マジか」


冷たい目線を送ると
両手を挙げて “説明するよ”とベッドに腰掛けた



「俺は倒れてた所を、助けただけ。」


「助けてくれた…ん…ですか…」


「そう。助けた」


それなら この人は
私の正体を知ってる…?


翠月姫だと知られれば 命を狙われる
もし仮にこの人がいい人だったとしても

この人が危険な目に遭うのは 間違いなかった


だとすれば…今すぐにここを離れないと。


「私、たまたま連れて行かれて、気を失っただけなん、です。助けてくれたのは感謝してます…でも、もう平気なので!失礼します!」



適当な嘘を吐いて
勢い良く ベッドから立ち上がると

視界がぐにゃりと曲がった


「…っ」


「っぶねぇ…」