下駄箱に着くと、京香もローファーを履いていた。

とんとんと、踵をつく軽快な音が響いた。

わたしも自分のスニーカーを出し、急いで履き替える。

「早く、先輩早く!」

京香がジョギングのポーズをしてわたしを急かす。

こいつは人を急かすのが好きだな…

「あー、それ違う。弥生先輩いじるのが好きなんです。他の人にこんなことしません」

エスパーみたいなことを言う京香に、私は顔をしかめる。

「えっ…怖い。なんでわかったの…。」

「いや、先輩口にでてますよ全部。ブツブツ出てます。私地獄耳ですからー。」

そうか…出ちゃってるのか…。気ぃつけよ…。