「えっ、えっ、い、今⁉︎」

急すぎて驚くわたしに京香は、

「そうですよ?だってほら、期限見て。」

言われるがまま、チケットに視線を落とすと、チケットの下の方に金色の文字で、

‘‘3月30日〜5月3日まで開催”

と記されていた。

「んごっ…5月3日って今日じゃん‼︎も、もう終わって…。」


「あそこ、夜に咲く花もあるから夜8時までやってますよ。いま6時だから…あと2時間あります!ほら、早く!」

京香に急かされ、わたしは無造作に筆を片付け、リュックを背負った。

振り返ると、京香は既に教室の扉の前でわたしを手招きしていた。

かとおもいきや、すぐさまダッシュし出す京香。

「うっ、うわまっ、待ってよ京香!
薄情者!」

こけそうになりながら、美術室の電気のスイッチを消して、わたしも廊下に向かった。