「京香!モロだよ!あの人が、わたしが園芸館で会った人だよ!!」


なるべく聞こえないように、でも昂ぶった声で京香に喜びを伝える。

すると京香はおっきな目をぱちくりさせた。


「え、ええ⁉︎クライヴなんですか!本人⁉︎うっそー⁉︎」


「そう!ねね、早速モデル頼んで来ようかな⁉︎」

わたしが興奮しながら言うと、京香は顎に指を当て、考える姿勢を取った。


「あー…、でも先輩、クライヴは…。」

「ん?なに?やっぱ忙しい?」

「いや、まあ、それもあるんですけど…結構キツい性格してますから…どうでしょう…。」


なるほど…、応じてくれない、と。