「社長。」



わたしが探していたあの人だ。


瞳に映るベチュニア。


白いまつ毛。


間違いなかった。


貴志さんがバツの悪そうな顔をする。

「あっ…、いや、ちょっと休憩してるだけ!」

「いや、別に怒ってませんけど。ただ書類を届けに来ただけで…。」


きらきらの目で見つめていたわたしに気づいた彼が、怪訝そうな顔をする。


「あ、あの…。」


「あ、そうそう、先輩。」


白髪の彼の言葉を遮って、京香がわたしと彼の間に割って入る。