尋ねられて、わたしはようやく納得する。

「あ、言ってた気がする、そんなこと!」

「先輩の記憶力、鳥並みですね!そんなんだからテスト良くないんですよー?」

「なっ…え、英語はいいもん!」

「そうでしたね〜、なんで英語だけあんなにできるんです?ああ、そっか、外国人好きですもんね先輩。ははーん…。」

ことばに詰まるわたし。

そして後輩の先輩いびりに簡単に乗せられるわたし…。

そんなダメなわたし、山寺弥生は、高校二年生の普通の女子。

特技は英語で、真っ黒な黒髪は長くて傷みやすい。長さは肩甲骨くらい。

特別可愛いってわけでもない。

京香と対象的な、一重まぶたで真っ黒な髪。


頭がいいわけでもない、むしろ決して良いとは言えない、中の中の女子です。