「…先輩、弥生先輩‼︎」

あの、耳を劈かんばかりの声が鼓膜を震わせ、わたしはまぶたに眩しい光を感じる。

「ん、きょうか…。」

「つきましたよ!」

ありゃりゃ。どうやらわたしは眠ってしまっていたらしい。

車のドアが開き、青空の眩しさを掌で遮る。

風を感じて、頬をかすった風がふわりと緑の香りを運んでくる。