「どうしたの?そんな慌てて」

すると京香は、鞄を漁って薄い、薄い緑色の封筒を出した。

そして、中から何やら長方形の紙を二枚出した。

「じゃんっ‼︎」

そこには、

‘‘春のフラワー展示会
香るパヒューム、薫風の予感”

と、可愛らしいフォントが載せられていた。

「これ、商店街のはずれにあるおっきな植物園のチケットじゃん、これがどうかしたの?」

私がチケットとにらめっこすると、京香がため息をついた。

「あーん、先輩、この前言ってたじゃないですか〜。次のコンテストこそは最優秀賞狙いたいから行きたいって〜。題材、お花なんでしょ?」