力強い視線に身体が強張り、わたしは反射的に目を背けた。


あ、どうしよ…感じ悪かったかも…


「どうぞ」

綺麗なテノールがわたしの耳をくすぐった。

それが彼のものだと、確認するまでもなかった。

「っえ…。」

声が詰まってしまった。

何も考えられずにあたふたしているこの瞬間にも、彼は出口へと向かって行ってしまう。

ああ、な、何か言いたい!

写真を撮らせてください?

いや、変態だと思われるかも…。

えーい、なるようになれ‼︎