ちょっと重めのガラス扉をひらくと、甘い香りが鼻腔をくすぐった。

ぶわっと視界に飛び込んでくる七色の花たちに、わたしはすぐに魅了されて言葉を失った。

「わあ〜、やっぱり、黄色とか、ピンクとか。そういう色が多いんですね!」


いつの間にか帰って来ていた京香が
感心している。

揺れる京香の髪も、ここではあまり目立たない。

「うーん、そうだね、京香みたいな匂いがする。」

「ええ⁉︎こんな強いですか⁉︎」

「いや、全部じゃないけどさ。」

京香が頭にはてなを浮かべながら鼻をひくつかせる。

さて、では今回の絵の主役となる、可愛いモデルさんを探しにいきますか。

「じゃ、わたし適当に見てるね。」

「はい」

京香にひらりと手を振って、私は奥へ進んで行った。