「來、」
「分かってるよ」
舌打ちをしながら、椅子にドカッと座る來。
來も來だけど、霧も霧だな。
(あんなふうに対応出来ないよ……)
ツンツンと霧の肩をつつく。 そして霧にしか聞こえないように手を口の側で隠しながら話す。
「來になんて言ったの?」
すると手をちょいちょいとする霧。
(耳貸せってこと?)
そう思いながら耳を出すと俺がしたように手を口の側で隠しながら話す霧。
「『そんなに怒ると、桜花に嫌われるよ』って」
(っ‼!?)
口をパクパクしていると、悪戯っぽく笑う霧。
流石だなと思う反面、俺の中では
(霧が楽しそう……っ‼)