[ 紅葉 side ]





「あ、」





俺が声を出せば、隣にいた霧が問いかけてくる。





「? どうしたの?」



「いや、あのね」





周りをキョロキョロ見渡して誰も気づいていない事を確認する。





「実は、騎士君が來のティーカップを───」





そこまで言った瞬間、ポンと誰かの手によって肩を叩かれる。



後ろを振り向けば、最も恐れていた人で、





「來‼」



「ティーカップが何だって?」



「いや、あの、」





(ヤバイ、どうしよう‼ 俺が怒られるの!?)



(壊したの騎士君だよね!?)



(ここは、どうするべき!?)