[ 騎士 side ]
「あぁー、もーっ」
(わかるわけねぇだろ‼ なんだよ、皆探せって)
(目の前にドアがあるんだよ? 無理だよ)
(どんなイリュージョン使ったんだよ‼)
心の中で文句を言いながら、拳をつくり机の真上から振り落とす。
すると、ダンッと音がして机の上にあったティーカップがグラッと揺れる。
「えっ…」
パリンッと甲高い音。
一瞬だけスローモーションに見えた。
「うわぁぁぁあ‼‼‼」
ティーカップが落ちる瞬間が。
「え、嘘。 待って待って待って!」
元の形の欠片もない白と金のティーカップがこなごなになって残っている。