夜天達が白鬼と別れ、森に向かい始める少し前、花音達は光輝と白夜に別行動中のことを話していた。


「・・・成る程な。向こうの世界で、お前達が戦った奴がつくったキメラ・・・、そいつらが街を襲撃してきた奴等か」

「正確には、その男の研究所にあったデータを基にして、窮姫がつくったキメラでしょうけどね」


話を聞き、呟いた白夜に、神麗がそう返す。


「でも、一体いつの間にキメラのデータを・・・」

「・・・考えられるのは、あの研究者を倒した後でしょうけど。あの研究所はすぐに閉鎖された筈、誰かが侵入したという話も聞かなかったけど・・・」


沙羅がそう言った時、蒼牙がふとある方向へと視線を向ける。


「・・・また誰か来た」

「えっ?」


その言葉に、花音達もその方向を見ると、数人の人影が見えた。


「・・・鈴麗か」

「その声は・・・、白夜!」


近くに来て気配でわかったのか、白夜が声を掛けると、鈴麗が駆け寄ってきた。


「光輝・・・!それに・・・」


彼女の後ろからやって来た夜天、雷牙、琴音、刹那が花音と風夜に気付いて、足を止める。


「・・・もう用事は済んだのか?」

「・・・ああ」

「詳しい話を聞きたいところだけど、そんな状況じゃなくてな」


夜天に頷いた風夜に、雷牙がそう返した。