俺は、布団に入ってまた寝た。

何も考えたくなかったから。



夢を見た。


夏諒が顔に傷を負った時の事だった。


夏諒が泣いていた。

なのに、夏諒の側に居るのは

俺じゃなく、海翔だった。


……


夏諒…、


「…っ、翔竜っ、翔竜っっ!」



「…んえっ?」


目を覚ますと夏諒が目の前に居た。


「夏諒…。」


「え、ちょっと、翔竜?」


「夏諒ぃ…、、。」


「えっ? ちょっ翔竜!!」


「こらっ、翔竜っ!」


痛っっっ。


夏諒が俺のほっぺたをつねっている。


「やめろって、いてててっっ」


「そのまえに離してっ!」


…?


……!!


いつのまにか、俺は夏諒を

抱きしめていた。


「ごっ、ごごごめん」


夏諒は、顔を真っ赤にしていた。


無意識のうちにこんな事を

していた自分が恥ずかしかった。