「ただいまぁ」

返事は帰ってこない。

当たり前だけど。

そのかわりに、

元気な鳴き声が聞こえてきた。


「アンッアンッ」

ジョンがこっちへ駆けてくる。

私がしゃがむと、

ジョンは私の胸元に飛び込んできた。

ペロペロと顔をなめている。


「もぉ。やめてってばぁ。」

ジョンの舌はザラザラしていて、

肌に触れると少しくすぐったい。

さっきから真っ白なしっぽを横に振っている。

その姿がとてもかわいいくて、

ぬいぐるみみたいに抱きしめた。

「さっ。おやつでも食べよっか。」

ジョンは再び甲高い声で鳴いて私についてくる。



ジョンとの出会いはちょっと不思議なものだった。