「彩菜、ちゃんと宿題やってる?」 「うん。毎日、少しずつね」 「偉いな。さすが俺の自慢の妹だ」 今夜の夕飯のメニュー、冷やし中華を食べながら何気ない会話を交わした。 「お盆辺りに、また父さんと母さんのお墓参りに行こうか」 「うん」 「……彩菜」 「ん?」 お兄ちゃんの声のトーンが急に変わった。 箸を置いて、お兄ちゃんは少し険しい表情をしていた。 私も慌てて箸を置いた。