『それで、付き合っちゃいました……と』
受話器から、ふぅっと溜め息が聞こえた。
『あんた不良苦手じゃなかった?』
「うん……」
呆れたような声に、自分のだらしなさを痛感する。
夕方、私はどうしても落ち着かなくて、親友の小塚瑠璃(コヅカルリ)に電話した。
瑠璃はさっぱりした性格で姉御肌。オシャレで美人だから、皆瑠璃に憧れている。
私もその内の1人なんだけど……
『ほんっと、彩世(アヤセ)って馬鹿』
「ううっ……」
瑠璃はちょびっと口が悪い。
まあね、私が悪いのは百も承知だけど!
相談した後の第一声が『アホなの?』ってのはどうかと思うよ!
勿論、意気地なしの私はそんな事は言えない。