5月。
新しいクラスにも慣れはじめた、青い風の吹くこの時期に。






「先輩!俺、先輩の事が好きです!」




私は、告白されました。




「……へ?」


暫くぽかんとしていた私から出た言葉は、そんな間抜けな言葉だった。

目の前でじっと私を見つめる、背の高い男の子。


「わ……私、ですか?」


そう尋ねると、男の子はブンブンと首を縦に振った。
もちろん、こんな事を聞かなくても、裏門の前にいるのは私と男の子しかいない。

それでも、私はパニックで頭がこんがらがってしまいそうだった。