それから私達はほどなくして五年ぶりに会話してまた、仲良くなった。
そして私は放課後、色乃くんの家にお邪魔させていただくことになり、私は楽しみである。
「なんで仲良くなってんだよ。やめとけって言ったろ、ばか。」
「...唐山くん。色乃くんは悪い子じゃないよ?」
唐山くんは私に姿勢を向け直してまた、口を開いた。
「分かってる。だけど、あいつと関わるとろくな事にならねーぞ。」
私は首を少し傾げる。
「どういう意味?」
彼はため息を吐く。
「もしかしたら、お前までいじめられるかしんないって事!まあ俺にはカンケーないけど!」
と言って唐山くんは前を向く。
「そんな訳ないよ。だって私達友達でしょ。」
「えっ...」
唐山くんの顔が少し赤くなった。
「お、おう...そっか。そーだよな!!」
ハッハッハっと唐山くんは高笑いした。
やっぱり変な人だな。
ガッシャーン...バリ...バリバリ...
硝子の割る音。クラスの皆は一斉に音のした方へ駆け出していく。
ふと、色乃くんの席を見る。いない。
すると唐山くんが私の腕を掴んで
「おいっ!まさかあれ色乃じゃね!?」
助けに行こう!と言わんばかりの顔をして、私を急かす。
「...とりあえず行こ!」
唐山くんは私の腕を引く。少し痛い。
音のした所は階段だった。鉄の匂いがする。
「うっわ...なんかくせぇ...」
唐山くんが顔をしかめる。
私はしゃがんで野次馬の足の間の隙間から除く。
赤いのが少し飛び散ってるのが見えた。ーーー血だ。
どうやら3対1の喧嘩のようだった。
生臭い。
でもどうしてもやられてる側の顔が見えない。
「っ!...あれ......色乃じゃねーか...」
唐山くんが驚きのあまり声を呑む。
私はそんな唐山くんを見上げていた。
「おいおい...そんな血まみれで何が出来んだよ?あぁ?行ってみろよ...」
3人の中で一番ガタイの良い男が色乃くんの髪を掴む。いつもは綺麗な薄い翠の髪が赤く染まっていた。