そんな毎日はどこか退屈で、面倒で、とても疲れる。
正にこれが、“生きている”という感覚なのだろうか。
「和泉くん!!」
…………。
……忘れていた。
毎日、僕が疲れ果てている理由はそれだけじゃない。
「おはよう、和泉くん!」
というか、主な理由はコイツだ。
クラスメートの女子生徒。
倉橋しずく(くらはし しずく)。
僕の疲労の半分以上は、殆どコイツのせいだ。
「またそんな難しい顔して……。ハゲるよ?」
「大きなお世話だから。」
クラス、いや学年……最早学校中で人気のある彼女は、今年初めて同じクラスになって、何故か僕に構うようになった。