小さく、和泉くんは首を振った。



「愛を知りたいんじゃない。……しずくからの愛を、感じたい。」



っ、なに……それ……。



そんなの……。


そん、なの……まるで……。



「しずくが好き、誰よりも。」



告白みたいだよ……いずみくん……。



目から涙がこぼれて来て、私はそれを隠すように、その場にうずくまった。


近付いて来た和泉くんがソッと、私の背中に腕を回して抱きしめる。



手は冷たい和泉くん。


〝アイス系男子〟と呼ばれる和泉くん。



だけど、抱きしめられた腕の中は……とても、暖かい。



「……いい加減、返事聞きたいんだけど?」


「す、き……好き……私も、和泉くんが好きだよ……!」



〝好き〟



里沙ちゃんに向けるものとは違う。


潤平くんに向けるものとも違う。


大河内さんに向けるものとは当然違う。



大ちゃんに向けるものとも、……全然違う。



恋の、〝好き〟。