胸が少し、痛くなる。
私と和泉くんの人生、全然違う。
生まれて来たときから、和泉くんは優しさと愛に満ち溢れていた。
だけど私は……私、は……私なんかが……。
傍にいてもいいの……?
優しさを知らない、自分が。
愛を知らない、自分が。
和泉くんの傍にいても……。
今ならまだ、引き返せる。
私さえ我慢すれば……。
「しずくが辛い人生を歩んで来たことは、この前聞いたから知ってる。」
「っ……。」
「だから、尚更思う。」
「僕はしずくと2人で、愛を探しながら生きていきたい。」
愛を、探しながら……?
愛を探しながらって……。
「和泉くんは……愛を知ってるでしょ……?」
幸せな家庭に、生まれたんだから。