「……残念ながら、ご両親はもう……。」
頭が真っ白になった。
すぐ家に戻ったのに、家の中はもぬけの殻で。
父さんも母さんも、息が無かった。
心臓が、止まってしまっていた。
「……ご愁傷様です。」
やけにその言葉が寂しくて、虚しくて。
目の前に倒れる2人の存在を、僕はすぐには認められなかった。
「う、うぁああああ!!」
大好きだった、2人。
僕を精一杯に愛してくれた、2人。
たった2人の、僕の家族。
父さんと、母さん。
2人が死んだ。
いなくなった。
「……蒼空くん。」
泣き崩れる僕の前に立つのは、従兄妹の里沙。
警察から連絡を受けた叔母さんが、来てくれたんだと悟った。