それに私は、和泉くんみたいな天才じゃないから。
1日学校を休んだだけで、苦手な数学は授業についていけなくなる。
ただでさえ、赤点間近なのに。
「しずくちゃん!」
なんてことを考えながら、眠りこける和泉くんを見ていると。
数人の友達が、私の元へとやって来た。
「しずく、いつも和泉くん見てるよね。」
「そうかな?」
「そうだよ! ……もしかしてしずくちゃん、和泉くんのことが好きなの?」
好き……?
…………そっか。
周りから見たら、私と和泉くんってそんな風に見えるんだ……。
「それとももう、付き合ってるとか……?」
「和泉くんってあたし達には冷たいけど、倉橋さんには少し優しい気がするしね。」