その日の夜。


珍しくお父さんとお母さんが帰って来た。



お母さんの目は真っ赤に充血していて、泣いたんだということがひと目でわかった。


お父さんも、なんだか暗い雰囲気を醸し出していてどんよりした空気がリビングに流れている。



「陽良……話がある」



お父さんが重い口を開いた。


深刻な顔で重大なことを言おうとしているのが見てとれる。



お母さんはその隣で、うつむきながら肩を震わせているだけ。



2人の態度に不安を覚えつつ、ドクドクする胸を押さえてイスに座った。