「もし、紺野さんが僕のことバラしても、一般人の紺野さんと成績も運動能力も社会的地位も持ってる僕を疑う人は多分いないと思うんだよ」
「でもバラされたら僕も困るし、もしバラしたら紺野さんのさっき撮った寝顔でもネットにアップするよ」
「あっ、僕と付き合ってるっていう噂でも流せば、紺野さんのこと女子の皆がいじめるかもしれないねっ」
「わかるよね?、僕に逆らうと、どうなるかくらい」
いつもと変わらない爽やかな笑顔で怖いことを
言う佐倉君にもうなにも言い返せない
「ねぇ、聞いてた?僕のことバラさないでよ?」
あたし生徒手帳届けに来ただけなのに……
とつい10時間ほど前の自分の行動を悔やみながら
「は…‥‥…はい」
と返事をしていた