「竹内?なに頭抱えてんの?」

「いや、別に……。つか、よく平然とそんなウソつけたね。……普通ばれるって」


手放していたペンを再び手にとって、くるくるとペン回しを始めた竹内。

綺麗な弧を描いて回るシャープペンを眺めながら、私は笑った。


「いや、だから多分ばれてるんだってば。私、生徒会の仕事が忙しくて正直彼氏とか言ってる場合じゃないし。

たまに美夏に、彼氏と最近どう、なんて聞かれるけど、そのたびに適当なこと答えてたから、どこかでボロが出てたんじゃないかな」


この前の連休、彼氏とどこか行った?とか、詩乃の彼氏ってどういう人?とか、聞かれても後のこととか考えないで本気でその場しのぎの適当なこと答えてたからなぁ。

きっと美夏も、聞くたびに私の彼氏の人物像が違いすぎて戸惑ったに違いない。

どうせなら、ちゃんと設定考えておくんだったな。

なーんて、今更後悔したって遅いけど。


「結局架空の人物だからね、ばれちゃうよね。そりゃあ」