私の言葉の途中でいきなり大きな声を上げた竹内に驚いて、私は向けるもんかと思っていた視線を、思わず横に向けていた。

すると視界に飛び込んできた竹内は、本気で驚いたような顔をしていて。

……え。


「ちょっと、なにをそんなに驚いてるの?」

私、なにかおかしいこと言った?


「いや、驚くって!!会長、彼氏いるってウソだったの!?」

「……あれ、そういえば竹内には言ってなかったんだっけ?」


他の生徒会メンバーには、あまりに頻繁に美夏が合コンを誘いに来るからそういうことにしておいて、ってお願いしていたんだけど。

私が合コンに行かないのは彼氏がいるからだと聞いた美夏が、ご丁寧に私の断りの方便を広めてくれたおかげで、学校内では彼氏持ちで通っている私。

そんなの真っ赤なウソなんだけどね。


それを知っているのは生徒会メンバーと、本当に仲がいい友達だけ。

生徒会のみんなには全員に話した気でいたけど、そういえば竹内はほとんど放課後顔を出さないから、その経緯を説明していなかったかもしれない。


「美夏があんまりにも頻繁に合コン誘いに来るから、彼氏ができたってことにしといたの。

初めのうちは効果あったんだけどねー、最近は前と同じペースに戻っちゃった」


あはは、と笑うと、竹内は「なんだよそれ」と何故か頭を抱えた。