「よくわかんないけど、ズルイっ!
こんなの、私に拒めるはずないじゃん、バカ!」
そうだよ。
恋愛百戦錬磨の竹内にこんなふうに詰め寄られて、恋愛なんてほとんど免疫のない私に勝てるはずないんだ。
「拒めるはずない、ってことは、拒まないってことでいい?」
ニヤッと笑った竹内に、私はぷぅと頬を膨らませた。
なんだろう。
本当、なんなの、この悔しさは!
「じゃあ会長は今日から俺の彼女ね。よろしく」
にっこり笑った竹内は、やっと私からはなれてくれた。
離れ際、私の手元から作業中だった書類を奪っていく。
「ちょっと!?……ていうか、彼女って言ったって、別に本当に何かするわけじゃないし」
「何言ってんの」
私から奪ったプリントやファイルを壁際の棚に戻した竹内は、自分の荷物もあっという間に片づけて、私の傍に戻ってくる。