いつもとは少し違う母の様子。
開けちゃいけない開けちゃいけない。

ピンポーン

一応インターホンを覗く。
「あ!賢ちゃん!」
そこには叔父の賢ちゃんの姿。

「お母さん!賢ちゃんだよ、賢ちゃん」
「雛!絶対!絶対開けちゃダメよ!
絶対に!」
「なんでー?賢ちゃんだよ??」
「ダメなの!」
「変なのー。いいや、開けるよ?」

ガチャ

そこにいたのはいつもの温厚な賢ちゃんではなく、鋭く尖った包丁を手にこちらを睨みつける賢ちゃんだった。

「ダメ!雛だけは、、、!」

その瞬間私を庇うようにして出たお母さんに突き刺さる。

「〜っっ」

「お、お母さん!や、やや、、、」
「雛、お前のお父さんはどこだ」
「や、やめて、賢治だけはだめ、、、
私の愛する人なの、雛を支え、、る人なの、、、もう、何も、、、奪わないで、、、、私から、、、私達から、、、」