「それってお前っ………」
「ーーーあっ!もうチャイム鳴っちゃう!」
ふと時計を見ると、長い針は27分を指していた。
30分から授業が始まるのにあと残り3分。
「じゃあ先に行くね、芹澤くん!」
「まっ……海里!」
時間がないせいで、最後の芹澤くんの最後の声に反応することはできなかった。
お弁当を放り投げてしまったせいでまともにご飯も食べれていない。
帰りまでお腹もつかなぁ?
あんな話をした後なのにわたしの脳内はいつもと変わらないくらい能天気だ。
芹澤くん………また会えるかな。
友達になれたよね、
きっと。
今日の吹く風は、どこか暖かかった。