「あー、なるほどな……有紗は彼氏と喧嘩すると近くにいる適当なやつに手ぇだすんだよ。八つ当たりってやつ。」


八つ当たり………?

っ……。


少し心当たりがあった。

蒼ちゃんと神崎先生がキスをしていたあの日、わたしを見下すように笑っていた神崎先生は少し変だった。


ただの変態だと思っていたけど、本当は………?


寂しがり屋でなかなか素直になれない人……とか?



それでも付き合ってる人ががいるのに他の人に近づいていい理由にはならない。




「で、でも好きなんでしょ?そんな関係でいいの?」



わたしなら嫌だ。


好きな人には自分だけを見ていてほしい。



「寂しさを埋めるだけの相手でも、有紗の側居られるならいいんだよ」



だけど、芹澤くんとわたしの考えは交わらなかった。

そんなの辛いだけじゃない。



「惚れた弱みってやつかもなー」


芹澤くん、さっきは好きなの誤魔化したのにもう自分から「惚れてる」って言ってるし。


隠すのを諦めたって感じだ。