顔を机に伏せていると、
「海里!先に行くなんてひどいよ」
「わぁっ!?」
結衣の大きな声が耳にキーンと響いた。
突然現れたせいで驚いた。
ぶつぶつと文句を続ける結衣に言い訳をする気力もでない。
「ご、ごめん……」
ヘラヘラと力のない顔で答えるだけで精一杯だった。
「ていうかさ!芹澤くんと友達だったなんて聞いてないけど!?」
バンッとわたしの机を力強く叩き、顔の距離は僅か数センチ。
なぜか真剣を瞳を揺らす結衣に違和感を感じる。
昨日会ったばかりの人を友達と呼べるわけはなく、ほぼ他人同然。
「と、友達なわけないじゃん…………結衣こそなんで芹澤くんのこと知ってるの?」
「は……?」
「何その質問」とでも言いたそうな顔をしている。
わたし何かおかしいこと言ったかな?