3年2組は蒼ちゃんが副担任のクラス。


蒼ちゃんには会いたいけど会いたくない。

そんな複雑な気持ち。


あの出来事があってから蒼ちゃんとはなんとなく気まずくて、


「おはよう」の一言でさえも口にしたらわたし気持ちがバレてしまいそうで怖かった。

蒼ちゃんはいつもと変わらないし、そんなことわかるはずもないのに。


蒼ちゃんが教師を続けられなくなるのも、隣に居られなくなるのもどっちも嫌なの。

欲張りだから片方だけなんて選べない。


「でも、これ渡さないと…….きっと困ってるよね」


蒼ちゃんに会ってもいつも通りでいられるような魔法があればいいのに。

そうすればこんな苦しみ忘れられるのに。


「はぁ…」とため息をつきながら生徒手帳をペラペラとめくった。