ドアを少し開き、覗くように中を見ると、
え…………。
一瞬にしてわたしの動きを止めてしまった。
なに、これ………。
多目的室には蒼ちゃんと、神崎先生の姿が見えた。
ねぇ、蒼ちゃん。
ねぇ、蒼ちゃん………………。
ーーーなんで、キスなんかしてるの。
2人の重なる唇。
この時間が永遠にも思えた。
何度も目をこするが、2人の姿は消えない。
幻だったらよかったのに。
夢なら醒めて、誰か起こしてよ……。
「桐生先生って大胆ね」
次の瞬間、足元がぐらつき肩がドアにぶつかってしまった。
ガタンッと大きな音が鳴り、多目的室にいる神崎先生と蒼ちゃんが驚いたように振り返る
「あっ……………」
逃げたいのに、逃げられない。
足が床に縫い付けられたみたいだ。