しかしまず、告白以前に蒼ちゃんはわたしを“妹”だと思っている。

蒼ちゃんの妹を卒業しない限り恋人にはなれないだろう。

告白するのはやっぱりまだまだ早いかなぁ。


「はぁ…………どうやったら振り向いてくれるんだろう」


「え?どうしたの?」



箸を片手に教室に戻り、さっきまで座っていた椅子を引いたと同時に声が漏れた。

心の中で呟いたつもりが、音になっていたらしい。

結衣がとても興味を示してくる。



「好きな人でもできたとか?」

「うぇっ!?」


図星をつかれて変な声が出たのは言うまでもない。

たった一言で恋愛のことだとわかるなんて結衣はエスパーでも使えるのだろうか。


“振り向いてほしい”なんて言葉を恋愛以外に考えるほうが難しいかもしれない。



「…………振り向いてもらうには、結衣ならどうする?」