「だけど少しずつ、海里のことを妹だなんて思えなくなってきたんだ」
蒼ちゃんがわたしに何を伝えたのか全く予想がつかない。
この言葉の終わりはいつなのだろうか。
「海里が芹澤とキスしているとこを見たときなんて「海里に触るな」ってつい叫びたくなったりもしてな」
「キ、キスって…………」
蒼ちゃんはあの瞬間を見ていたの!?
まさか蒼ちゃんに見られていたなんてわかるはずもなく、
「っ………」
恥ずかしさのあまり思わず蒼ちゃんから目線を逸らした。
勘違いされてたらどうしよう。
「妹を守りたい兄の気持ちなんかじゃなくて、海里に触れている芹澤にただ嫉妬していたんだ」
「えっ……」
「言ってること、わかるか?」
蒼ちゃんの言葉が聞こえているようで聞こえていない。
聞いているのはずなのに、耳から耳へとすり抜けてしまう。
わたしには難しくてそんなのよくわからないよ………。