「好きは人が今どんな気持ちなのかって、そういうのすぐにわかっちまうんだよな」
切なそうに微笑む遥を見るだけで、ズキンと胸が痛む。
「ちゃんと振ってくれてありがと」
恋って難しい。
幸せになりたいのはみんな同じなのに、上手くいかなくて空回り。
目の前の幸せになれる恋を捨てて、わたしは蒼ちゃんを想う。
どれが正解だなんてわからない。
それとも、どの道を選んでも正解なんてないのかもしれない。
みんな迷って、悩んで、苦しんで、それでも恋をするの。
「こんななんの取り柄もないわたしを…わたしなんかを好きになってくれてありがとう」
遥みたいな素敵な人がわたしを好きになってくれる奇跡、もう2度とないかも。
それでも自分の気持ちに嘘なんてつけなかった。
わたしは蒼ちゃんが好きだ。
