「いきなり離すなよな」
「つ、つい……」
反応を見る限りでは怒ってはいなさそう。
ごめんね、遥。
心の中でもう一度謝った。
「なんでこっちの校舎に来たの?こっちに店なんてないのに……」
誰も周りに居ないし、かなり静か。
「あー、ちょっとな」
「ちょっとって何?」
さっきからわからないことだらけ。
頭のてっぺんにはてなマークが浮かんでもおかしくないくらいだ。
「俺が合図するまで目、閉じて」
「へ?いきなりどうしたの……?」
「俺を置いてった罰」
「あ………そ、それは……」
言い訳をしたいとこだけど、蒼ちゃん絡みのことだから上手く伝えにくい。
ここは無駄な事を言う前に遥の言う通りにしよう。
「わかった」
言われた通りにそっと、目を閉じた。
見えないところで何かをされるってちょっと怖い。
罰ってなんだろ……。