「芹澤と辻宮って仲良かったのか。意外だな」
「超いいですよ!友達以上恋人未満的な?」
「恋人未満って……」
遥ったら何を言い出すんだか。
いつもの爽やかキャラが崩れてただのプレーボーイだ。
「じゃあ桐生先生、俺たちはこれで」
「あ、あぁ…」
「わっ」
グイッと体を寄せられて、そのまま廊下を歩き出す。
「蒼っ……っ………」
つい、「蒼ちゃん」と呼びそうになってしまった。
呼吸を止めて、なんとか堪えたけど遥に聞こえたかな。
チラリと後ろを振り向くと、蒼ちゃんの顔が少し怖い。
隣にいる遥も険しい表情だし、2人共どうしたんだろう………。