エスパーとか変なこと考えてる間に大事なことを言われた気がする。


“昔から”って、蒼ちゃんは昔のわたしことをちゃんと覚えていてくれたってこと。

たしかに小さい頃はよく蒼ちゃんとお祭りに行っていた。


「じゃあ、そっ……桐生先生はわたあめとか食べたくなりますか……?」


いつも最初に食べるのは2人も決まって同じもの。

わたしがたこ焼きで、蒼ちゃんがわたあめ。

普通は逆な気がするけど昔は特に気にしていなかった。

そしていつもひとくち交換をするの。


「ははっ、そうだな」


ホント、懐かしい。

蒼ちゃんも覚えててくれたなんて嬉しすぎるよ。


昔から大好きな蒼ちゃんの笑顔。

胸がキュンとする。



やっぱり蒼ちゃんを諦めるとか無理だよ。


遥には神崎先生とのことあんなにうるさく言ったけど、わたしはどうしてもこの恋を終わりにできないらしい。


今伝えちゃいけないことくらいわかってる。

この気持ちを隠すのは難しいってずっと思ってた。


でも、蒼ちゃんをこれからも好きでいたい。


そう思うの。


この気持ちは胸の奥に閉まっとくって誓うから。

諦めないでいてもいいかな。

これから先も蒼ちゃんを好きでいていいかな。