「桐生先生は何か食べましたか?」
「え?」
目を丸くしてこっちを見てくる。
そんな変な質問したかな?
たしかに突然質問したわたしも悪いけど、沈黙になるのは嫌だもの。
「えーっと、俺は見回り中だから何か出店のものを食べるっていうのは……」
「あ、そっか、そうですよね!」
先生と生徒は違うんだ。
のんきに文化祭の食べ物なんか食べてる場合じゃないよね?
「辻宮はたこ焼き食べたんだろ?」
「なっ、なんで知ってるんですか!?」
蒼ちゃんは完璧すぎてついにエスパー能力まで身につけたのだろうか。
なんでもできるってちょっと怖い。
「昔からこういう祭りがあると真っ先にたこ焼き食べてたからさ」
まぁ、そんな非現実的な事が起こるはずもなくて、
「あはは…そうでしたっけ」
苦笑いで誤魔化した。