「すみませーん、注文お願いします」

「こっちもお願いします」


「あ、はい!」

「今行きます〜!」


さっきまで蒼ちゃんに群がっていた女の子たちがタイミングよくいっきに離れていく。

わたしの後ろにいたはずの結衣もいつの間にか居なくなってる。

わたしと蒼ちゃんだけが取り残された感じ。


え、ちょっと……そんな……。

計算されていたかのように一斉にみんな居なくなってしまった。


「来てくれてありがとうございます……」


沈黙になるのが嫌で、すぐに声を出した。


もちろん教室や廊下に居る人には聞こえないような小さい声のボリューム。



「約束したからね」

優しい蒼ちゃんの声がじんわりと胸に響いた。