ちょうどすぐ目の前、3年1組と書かれた教室。


教室の前で女子たちに囲まれる蒼ちゃんの姿がしっかりと目に入る。


本当に来てくれたんだ……。

でもちょうどわたし居ないときに来るなんて……タイミング悪いよ。


声を掛けようかちょっと迷う。

みんな居るし……どうしようか……。


「あっれー?海里ったらそんなところに立って何してるの?」


「ゆ、結衣っ!?」


わたしの顔の前にバッと結衣の顔がアップで映った。


今日は驚くことばっかりだ。


「あ……いや、クラスの様子が気になって……」


どうやら結衣はチラシ配りから戻ってきたところみたい。

数枚手に残ったチラシを見てすぐにわかった。


「じゃあせっかくだから入りなよ〜私が注文とってあげる」


「わっ、あ、ちょ……」


背中をグイグイ押されて強制的に教室の前まで連れて行かれる。

まだ行くかなんて決めてないのに〜!!