青いシーグラスのネックレス。
手に取ってみるとなんだか懐かしい感覚がした。
まるでわたしの手の中に海ができたみたい。
キラキラしてとても綺麗。
「なんだ海里、それが欲しいのか?」
「うわぁっ!?」
後ろから急に声を掛けてくるから、ビックリして変な声が出てしまった。
勢いで持ってるネックレスまで落としまうところだっし、本当に心臓に悪い。
「いや、そういうわけじゃ………」
わたしには蒼ちゃんから貰ったネックレスがあるんだもん。
それこそ、首がいっぱいだよ。
「記念に買ってやるよ」
わたしが持っていたネックレスをひょいっと取り、「へぇ、シーグラスかぁ」と眺めている。
違う。
違うんだよ遥。
わたしは蒼ちゃんじゃないと嫌なんだ。
「い、いらない!!」
そう叫び、教室から飛び出した。