「芹澤くんにはこういうのが似合うと思います!」
「あ、これもお似合いですよ!」
「あー……そうだなー」
女の子たちに囲まれながら、遥が微妙なテンションの声を漏らしている。
首には大量のネックレスを掛けられ、腕もブレスレットでいっぱいだ。
なんか……あれだけ大量だとどこかの貴族みたい………。
遥から行くと言い出したから、てっきり手芸部のお店に興味があるのかと思ったのになんだかテンションは低そうだ。
結局女の子に囲まれちゃって疲れてるのかな。
そんな遥をチラリと横目で見ながら、私もアクセサリーを眺めていた。
ネックレスにブレスレットにキーホルダー。
これが全部手作りだと思うと、本当にクオリティが高い。
そういえば蒼ちゃんもアクセサリー作るの得意だったなぁ。
いつも鞄の中にしまっているネックレスも、とても素人作品とは思えないほど繊細だ。
そうか……蒼ちゃんがアクセサリーを作るのが上手だったから、自然とこういう店は気になっちゃうんだ。
わたしの好きなものも、嫌いなものも、元を辿れば全て蒼ちゃんとの思い出ばかり。
小さい頃からずっと一緒に居たんだもんね。
そうやって、また蒼ちゃんのことを考えていたら、
「あ、これ………」
ひとつのアクセサリーに目を奪われた。