[ん…もう朝か。やばい!遅刻する!]
慌てて準備をして、学校に行く。

キーンコーンカーンコーン
[ふぅ、間に合ったぁ]
と、俺が言うと
[おいおい、そこは遅刻しろよ]
と、笑いながら幼なじみの真央が言った。
[するわけねぇじゃん!遅刻したことないのによー]
[いや、遅刻したとこ見て…]
[こら、そこ静かにしなさい]
担任が注意をしてきた。
仕方なく、
[[はーーい]]
と、真央と俺は声をそろえて言った。

朝の会がおわり、一時間目の準備をしていた頃、
[燐ー!お客さんだよー!。]
と、クラスメートの寧々が言ってきた。
[すぐ行くー!]
そう言ってドアの方に目をやると、一年生の詩織がいた。
手には可愛らしい袋を持っている。
(あぁ、真央に渡すやつか)
真央はスポーツが人一倍できて、顔もそこそこいい。隠れファンは多いという。
[あの、これ受け取ってください!]
顔を赤くしながら詩織は言った。
[はぁ?]
思わず言ってしまった。
今日はバレンタインデーでもない。
なのに、なぜ俺なんかに…
ゴチャゴチャした頭の中を整理しようとすると、
[では!]
そう言って詩織は帰っていった。
(まだお礼言ってないのに…)
そう思った瞬間、
[お!燐それなに?まさか!]
[ちがうわ!]
光輝に言われて全否定してしまった。
[中身見よーぜ!]
[いや、まだ見ない。つか、見たいだけだろ]
[よく分かってるねぇ。]
俺はその袋をカバンの中にしまった。
一時間目が始まった。
詩織からもらったものについて、隣の席の芹奈に相談していると、
[燐さんと芹奈さん、いちゃいちゃしないの]と、英語の有馬に言われた。
なぜか俺と芹奈は否定しなかった。
そんなこともありながら、一時間目が終わり、下校する時間になった。
とりあえず開けてみれば?と、芹奈に言われたから開けてみると、中にはクッキーと手紙が入っていた。
[クッキーだー!俺腹へってんだよなー!]
真央が腹を鳴らしながら言ってきた。
とりあえず、真央に一つ渡して、食べてみた。
[[うまい!!]]
普通に店でも出せそうな味だった。
いや、今まで食べたクッキーの中で一番うまかったかもしれない…
[おい、次手紙見よーぜ!]
真央が興味津々に聞いてきたため、手紙を見てみると、そこには、
『好きです。付き合ってください』
とだけ書いてあった。
芹奈が、何書いてあったの?と聞いてきたから見せてると、
こな返事はどーするの?と、聞いてきた。
[んー。まだわかんない。とりあえず、保留って感じかなー。]
[そぅ、よかった]
[ん?なんか言った?]
[別にー。ま、年の差を考えてね]
そう、詩織は一年生、俺は三年生。
2つも年が違う。
[お、もしかして妬いてんの?]
と、真央が芹奈に言った
[ちょっとね..]
[お、まさか燐のこと…]
[うん、好きだよ]
そう言って芹奈は帰った。
俺は驚いて何も言えなかった。
真央も真央で、驚いている。
(なんで1日に二回も告られんだよ)
そう思いながら、俺は家に帰った。