昼休み。
ナオとナオの親友の理紗は学校の中庭で屯していた。
男子がギャーギャーと騒ぎながら走りすぎていく。そしてまた、前を走っていく。
ありえなくらいの快晴に、ナオは太陽を鬱陶しく思いながらも、思いを馳せていた。
「ナオー、顔きもすぎやって。朝っぱらからどないしてん?」
理紗が顔を歪ませながらそう言う。思わず手に持った紙パックに力が篭っていた。
それでもナオは、気にせずにニヤニヤとした顔をやめない。
「だあってー」
「せやから恋したんやろ?聞いたわ、アホウ。」
「アホ言うなやー、り、さ、ちゃ、んっ」
「きっしょー、ほんまきしょいわ、アンタァ。」
ナオの頭の中には、もちろん、コンビニで顔見知りのあの人のことでいっぱいだった。
初めての自分からの恋に、半ば浮かれている部分があるも、ナオはこれ以上どうこうとは思っていなかった。
探し出そうとする気もないし、もう一度会いたいという気にもならない。
「ナオって、なんや消極的やもん。」
「うっさいわ!だまらっしゃい。」