毎朝。


暗い部屋のカーテンの隙間から差し込む

光と、一緒に溢れてくる笑い声に急かさ

れる気持ちで私はカバンの取っ手を握る。


「行ってきまっ(す)。」


靴をかなり乱暴に履き、

玄関の扉の閉まる音を確認する暇もなく

その笑い声の集団を追いかける。



季節は春。

入学式も終わり、だいぶ落ち着いた頃。




私の名前は一色 ゆめ

高校1年生 15歳

どこにでもいるような女の子